| めまい、立ちくらみ、ふらつき |
ふとした時に立ちくらみを起こしてふらっとしたり、朝礼などで顔面蒼白になって倒れてしまったり…特に女性に多いこうした症状は"貧血気味"というようなあいまいな表現で軽く見られがちです。
ところが、本来貧血というのは血液成分のうち赤血球数が減少した状態を指し、むしろこうしためまい感は"脳貧血"によることが多いものです。
更に"脳貧血"というのは正確な病名ではなく医学的に言い換えれば"一過性の脳虚血の状態"となります。
その原因のほとんどが起立性低血圧を含めた低血圧症ですが、年齢や状況によっては非常に大きな病気のサインであることも少なくありません。
めまい、立ちくらみ、ふらつき…そういった症状を認める病態やその原因、治療などについて今回は特集します。
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めまいと一口に言ってもその症状は多彩で、大きな病気が隠れている場合から、詳細な問診や検査にても原因が確定しない"めまい症"まで様々です。
まず、症状が"めまい"なのか"めまい感"であるかどうかが重要です。
"めまい"というのは天井や床または自分自身がぐるぐる回るといった症状で、自分の立っている感覚が定まらず強い吐き気や恐怖感などを伴います。
医学的には回転性めまいといいます。
一方"めまい感"は俗に言う"貧血気味""立ちくらみ"で、ただふらっとする、目の前が暗くなるといった感覚(眼前暗黒感として別に分類する場合も)が多く、周囲がぐるぐる回るといった動きはありません。
こちらは浮動性めまいといいます。
めまいを認める疾患は実にたくさんあり、様々な診察、検査法があるのですが、特にこの二つの症状の違いを把握することが診断の第一歩になります。
また、めまい以外の他の症状を伴なうかどうかも重要なポイン� �になります。
例えば耳鳴や聞こえにくいなどの聴覚症状がないか、ろれつが回らない、手足を動かしにくい、まっすぐに歩けないなどの脳神経症状がないか等です。
他には、症状が自然と始まったのか、何かをきっかけに(立ち上がった際、頭を一定の方向に向けた際、等)誘発されたのか、または発作性か持続性か、初めてか以前から続いているのか、回復傾向か悪化傾向または定常状態か…等といったことが参考になります。
問診からこういった重要な徴候を確認することによって原因疾患をしぼり、それぞれに必要な検査を行います。
めまいの原因としては、耳鼻科的疾患(前庭神経炎・慢性中耳炎・メニエール病など)、内科的疾患(一過性脳虚血発作・椎骨脳底動脈循環不全E小脳出血・高血圧など)、脳外科的疾患(脳腫瘍など)、整形外科的疾患(頚性めまい・頸椎症など)、婦人科的疾患(更年期障害・月経困難症など)、精神科的疾患(神経症・心身症・うつ病など)などざっと数えただけでも数十以上ありますので、一度は医師による診察と検査が必要です。
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例えばその中には、早急な治療を必要とする一過性脳虚血発作の症状として、めまいや脱力感、浮いているような異常感などを認めるような場合もあります。
一過性脳虚血発作は、特に中高年の動脈硬化によって進行した血管の狭窄部位に一次的な血流不全を起こし、脳が虚血に陥った状態です。
典型的には手足の軽い麻痺や言語障害などを認め、症状は24時間以内に消失するものの脳梗塞をおこす前の警告発作として知られています。
(冒頭で挙げた起立性低血圧による"脳貧血"とは機序も重症度が全く異なります。)
このような脳血管障害を含め、脳腫瘍や貧血(血液成分の異常)、不整脈などの重大な器質的疾患を見逃さないた� �に、次のようなめまいは特に緊急性があります。
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一般に"貧血をおこした""貧血気味"と表現するのは"めまい感"(浮動性めまい)を指すことが多いようです。
その原因は、急に立ち上がったり、起きあがったりしたときに、血圧が下がり(普通は一定の値を保つように調節される)、脳への血液が不足することによって起こる、起立性調節障害であることがほとんどです。
特にもともと血圧が低い低血圧症の女性で、自律神経系のコントロールがうまくいかない状態を起立性低血圧症といいます。
血圧が下がりすぎてしまうとうまく血液が循環せず、特に脳への血液が不足し、一次的に虚血状態に陥ることを俗に脳貧血と呼んでいます。
つまり一般に"貧血"と呼ばれる症状は、血液自体の問題である医学的な意味の"貧血"よりも血液成分には全く関係ない血液循環の問題で� �る"脳貧血"であることが多いのです。
低血圧症には国際的に統一された基準はありませんが、一般的には最高血圧が100oHg以下、最低血圧が60〜70oHg以下をいいます。
低血圧が体に負担をかけることはないので、原因となる疾患もない本態性低血圧症では、日常生活に支障がなければ全く心配はいりません。
但し疲れやすい、立ちくらみ、めまい、手足の冷え、肩こり、動悸、息切れなどの症状がつらい場合には、内服薬にて血圧を調節することもあります。
低血圧症にしても起立性低血圧症にしても薬物療法に頼る前にライフスタイルを改善して血液循環の調節機能を強化することが重要です。
そのためには;
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下肢の筋力を保ち血液を心臓に戻す力を強める。水泳や全身運動、ウォーキングを心がける
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朝食をきちんと摂り、水分も十分補給キる。
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過食を避け、適性体重を守る。
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風呂上がりにお水をかけたり、冷水摩擦などで自律神経の働きや血液の循環をよくする。
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睡眠を十分とり規則正しい生活を心がける。
貧血とは、血液成分のうち赤血球の数が病的に減った状態です。
その半数以上が、鉄不足により赤血球が正常に生成されない鉄欠乏性貧血です。
鉄は全身における酸素運搬を担うヘモグロビンを構成していますので、その不足によりヘモグロビン値も低下し、心臓から遠く、かつ体の中で最も酸素に敏感な脳が、酸欠状態になり、めまい感やたちくらみを起こします。
貧血であるかどうかは診察や正確には血液検査で赤血球やヘモグロビンの値を見れば診断できます。
貧血の原因は、鉄欠乏性貧血以外にも様々で、その種類や原因によって治療法も異なります。
また、全身のどこかでの出血が原因になる二次性貧血を見逃さないことも重要です。
例えば、貧血の原因を� �査していくうちに癌や胃潰瘍からの出血が見つかることも少なくありません。
貧血の症状としては、全身の疲労感・動悸・息切れ・めまいなどですが、長期に渡って少しずつ進行している場合は、かなり強い貧血でも自覚症状を認めないことがあります。
めまいに関しては、くらくらしたり、目の前がまっくらになるような症状はあるにしても、脳貧血のように完全に意識を失ってしまうことは、ほとんどありません。
貧血が一定以上進むと心臓に大変負担がかかり、心不全を起こします。
特に毎月月経を迎える女性にとって、日頃からレバーやほうれん草といった鉄分の多い食事を心がけることは非常に重要です。
但し、健康な人の1日の食事に含まれる鉄分は、約10〜15r。
そのうち体内に吸収されるのは、ほんの10%程度、つまり約1rです。
従って一度貧血になってしまった状態では、よほどの軽症でない限り、食事療法だけでは補いきれません。
鉄剤を服用し3,4ヶ月かけて徐々に正常値へ近づけます。
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